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2005年 06月 09日

CBアービトラージは死んだか(3)

投資家から解約が殺到したことに加えてGMショックの直接・間接的影響も相俟って、CBアービトラージのパフォーマンスは一段と悪化し、投資家からの解約依頼も一段と増えた。更に、またレバレッジを供給するブローカーにCBの在庫が急増していることもあって、ブローカー各社はクレジットラインを急激に絞っているため、CBアービトラージのヘッジファンドは更なるポジションの圧縮をさらに進めざるを得なくなった。CBの需給は完全に崩壊し、CBの売却には異常な水準の流動性ディスカウントがかかるような状態となった(5月半ばには、CBのビッドから算出されるインプライドクレジットスプレッドが、社債、CDSといったもののスプレッドに比べて3倍から5倍にも達している)。

今、CB市場に起きているのは、時間軸上のDisintermediation=金融仲介機能の崩壊である。すなわち、長期のリスクを取れる投資家の不在であろう。解約に備えてキャッシュを用意しなければならない、或いはクレジットラインを絞られて担保不足となっている、といった『とにかく一刻も早く売らざるを得ない』事情を抱えた投資家にとって、CBに組み込まれたオプション部分の時間価値はゼロである。実際、CBの価格は、同じクーポンの普通社債と同じ価格まで売り込まれている。特に、もともとプレミアムの大きかったものやクレジットスプレッドの大きかった銘柄(平時であれば投資妙味のありそうな銘柄)ほど、それだけ下落率が大きくなっている。

今回、CBにおいて見られたクレジットスプレッドの拡大は、91年のハイイールド債危機と同じレベルと言われている。ハイイールド債もその後再び活性化し、今日では不可欠な資産クラスの一つとして定着している。CB市場でこの凄まじい売り圧力が収束するのであろうか、収束するとすればいつになるのか?6月末が一つの山場という見方もあれば、例年ボラティリティが低下する8月を超えるまでは手が出せないという声もあるが。いずれにしてもこれまで説明してきたように、CBは合理的な計算では正当化出来ない水準まで売り浴びせられており、中長期的にはまたとないエントリーポイントに突入していると言えよう。
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by th4844 | 2005-06-09 19:47 | Hedge Fund


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