2006年 06月 22日

ある朝のこと

ある朝、いつもよりちょっと遅めの時間帯のBakerloo Line(地下鉄)の車内でのこと。読んでいた書類からふと目を上げると、数メートル先の座席に同年代らしき日本人ビジネスマンの姿が見えます。時間といい場所といい風貌といい、なんとなく金融関係の人だろうなと思って遠目に眺めていると、何やらどこかで見たような顔です。





いや、まさか・・・。
なぜこんなところ(=ロンドン)で彼に?出張かな?
いや、でもあの雰囲気は完全にロンドンに馴染んでいるし、
そもそも出張者ならこんなところには宿泊しないだろう。

となると、やはりロンドン駐在か?
可能性が無い訳ではないが、以前聞いた仕事とはだいぶラインが違うよな・・・。

いや、やっぱり人違いだろう。なんだかちょっと落ち着いてるしな。
似ている人もいるもんだな・・・。



こうしてしばらく逡巡した後に、これは思い過ごしだったということで納得して
再び書類を読み始めました。




でも、気が散ってしまってダメです。



いや、やっぱり似てないこともないなあ・・・。


まあ、例え赤の他人でも、同業の人なら
今日から知り合いになれたら
それはそれでラッキーだろう。

いっそのこと、人違いを装って声掛けてみるか?



いつまでもこんなことでクヨクヨしている自分の小ささが
情けなくもなってきたこともあって、
思い切って彼の座っている目の前まで移動してみました。

彼は下を向いているので、顔がよく見えません。

彼の方からこちらに気付いてくれれば好都合だったのですが、
一心不乱にメトロ(地下鉄駅で配られている無料の日刊紙)を読んでいるので、
それは望むべくも無さそうです。


しょうがない。


ナンパ開始です。


『○△くん?』


『・・・・。』


返事がありません。


か、かっこ悪いじゃないか・・・。
オレとしたことが、まさかびびって呼びかける声がちょっと小さくなってしまったのか?
よし、もう1回。



『すみません!』


もうちょっと大きい声を出してみました。


ようやく彼が顔を上げます。

しかし、目が合っても尚、私には
まだ彼が知人かどうか確証が持てません。


『こりゃ人違いだったかな』と思いつつも、
一応『○△くん?』と聞いてみると、
一瞬の間を置いてから、ようやく
『おおーっ!』というポジティブな反応がありました。


やっぱり彼でした。大学時代の同級生です。


学生時代は毎日グランドに通勤(?)していたものの、
教室には殆ど行っていなかった私にとって、
彼は本当に貴重なクラスメート(と判別することの出来る人)の1人です。

7-8年振りの再会ですから、お互いに外見(顔や体の丸み?)に
だいぶ変化があったかもしれません。

思えば、前回彼に会った7-8年前というのも、
全くの想定外の場所でのことでした。

社会人2-3年目くらいに、なぜか大阪で、
それも証券アナリストの1次試験の会場。

彼が大手日系証券に就職していたことは知っていたものの、
関西に赴任していることは知らなかったので、
その劇的な再会に感激したものです。

その後、またずーっと連絡を取り合っていなかったのですが、
まさかロンドンの地下鉄でバッタリ出会うとは夢にも思いませんでした。
どうやら1年ほど前からロンドンに赴任しているようです。


二度もこんなことがあると、運命的なものを強烈に感じてしまいます。
しかも、聞けば『実は明日、東京に帰任する辞令が出そう』だとのこと。
トントン拍子で話が進んで、結局、その日のうちに飲みに行くことになりました。

あいにくその日の夕刻はNY・西海岸との三者による電話会議が
長引いて(1時間で終わる予定が3時間もやってました・・・)、
私は約束の時間よりもだいぶ遅刻してしまったのですが、
それでもその後お店がカンバンになるまで
とても楽しいひと時を過ごすことが出来ました。

この夏、彼のところには待望の第一子が誕生する予定だそうで、
公私ともに共有出来る話題が多く、話をしているうちに、
とても7-8年ぶりの再会とは思えないほど自然に会話が弾みました。


それから、私が学生時代に一緒にリレーを走らせてもらっていた先輩と彼が
その某証券で同じ部署に所属していたということも判明し、
改めて世界の狭さを実感させられました。

それにしても、ロンドンに来てからというもの、不思議と
“思いがけない再会”を果たすことが多いです。

邦銀勤務時の同じ支店から、先輩2人と同期1人が、今こちらで活躍しています。

その他に、銀行の独身寮で大変親しくして頂いていた2年上の先輩2人が昨年くらいまで駐在。

さらに、高校時代の親友(そういえば大学も同窓)が2年前からロンドン勤務中。

もちろん、“知り合いの知り合い”などを数え出したら、それこそキリがありません。


確かに、そもそもロンドンやニューヨークという街にはいろんな人が集まりやすい
というのは勿論そうなのでしょうが、
それにしても次から次と出てくるこの濃い繋がりには、
まるでそれが天の意思であるかのような感覚すら感じてしまいます。

そんなことを書いているうちに、また旧知の先輩から『今アゼルバイジャンに来てるんだけど、週末にロンドンにトランジットで立ち寄るから、ちょっと遊びに行きます』というメールが入ってきました。

さて、次はどんな嬉しいサプライズが待っているのでしょうか。
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by th4844 | 2006-06-22 15:17 | London, UK, Europe


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