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2006年 04月 10日

英語の鍛え方?

先月、立て続けにTOEICとTOEFLを受験してみたのですが、その結果がそれぞれ郵送されて来ました。どちらも2004年に初めて受けた時(ロンドンに来る前は受けたこともありませんでした・・・)よりもだいぶ点数が上がっていたので、びっくりするやらホッとするやら、というより素直に嬉しかったです。まあ、そもそもの発射台が低かったと言う事実はさておき、駐在4年目に突入しても、そして30歳になっても、まだまだ鍛えれば伸びるもんですね。




外国語は子供の時からやっておかないとダメだとか言うmythがあるようです。私は子供の頃に英語を使う環境にはなかったですし、中高生の頃も本当に公立の学校の中間・期末テストを乗り切るための必要最低限のことしかしなかったので、子供の頃と比べてどれだけ自分の言語開発能力が低下しているのかは定かではありません。でもここ数年の伸びに我ながらびっくりしているくらいなので、まだまだ脳が衰えたという気はしていません。いや、例え以前より衰えていたとしても、今でも十分いろいろと吸収出来ると感じています。そう言えば、技術者だった私の父親も40歳を過ぎてから毎週喜々としてベルリッツに通っていました。もしも、私より若いのにもう英語が伸びないなどと悩んでいる方がいらっしゃるとすれば、少なくとも年齢は言い訳にはなりませんよ!練習の質か量に改善の余地はありませんか?

とはいえ、ここで英語の鍛え方の極意のようなものでも伝授出来ればいいのでしょうが、私のこれまでの道程は効果的とか効率的という言葉からはまるでかけ離れたものだったので、残念ながら万人の役に立つ必勝法などは持ち合わせておりません。そうした最短ルートは、きっとどこかの英会話教室や予備校がいろいろと教えてくれるのではないかと思います。

ただ、私自身の実感というか自戒として思っていることを敢えて披露させて頂くとすれば、『近道など無い』ということになるかと思います。高校時代にライバル校の選手達と合同練習をしていた際に、『オマエ、今度ハードル教えてくれよ』と言われたことがあります。当時、私の周囲には400mと400mハードルの2種目を掛け持ちにする選手はそれほど多くなかったので、400mのみを専門とする選手から興味本位で聞かれた質問だったのですが、『どうやったら跳べるようになるんだ?』と続ける彼に、私は迷うことなく『まあ、まず好きになることだな』と答えたのでした。『は?なに、寝ぼけたこと言ってんだよ』と横からツッコミを入れられてその会話は終わったのですが、即興の一言にしては自分の思いがよく詰まった名答(?)だったな、と後で1人で悦に入っていました。そのココロは、『ハードルは高度な技術を要する特殊な種目なんだから、センスや体格に恵まれた一部の選手を除けば一朝一夕で身につくようなもんじゃない。でも、ハードルだけ上手でも走力が無ければレースには勝てない。だから、走るための厳しいトレーニングをこなして、その上でさらに時間と体力を捻り出してコツコツハードルの技術練習を続けていかなきゃいけない。それだけしんどいんだから、軽い気持ちで始めてみたり、嫌々やってるようじゃ、絶対に上達なんかしない。』というものでした。

ビジネスパーソンの英語学習だって同じだな、と思います。社会人になってから外国語の勉強をしたいなどと言う向上心に溢れるような人ほど、きっと日々の仕事も多忙を極めているはずです。そこから、更に無理矢理時間と体力を捻り出して勉強を続けていくのは、それはそれは大変なことだと思います。ただ、英語を勉強する時間を確保するために仕事が疎かになってしまっては、何のための英語なのか本末転倒というやつです。とはいえ、大変だからと言ってちょっとでも手を抜くと効果もさっぱり上がりません。日本に居たときの私がそうでした。テレビでBBCやCNNを流しっぱなしにしてみるが、本当に流しっぱなしにしてるだけ。単語帳みたいなものを手にとってみるが、1ヶ月も続かない。ロンドンに転勤になって、上司も同僚も社内文書もクリスマスディナーも買い物も家探しも自宅のボイラーが壊れてお湯が出ないときのクレームも全部が英語になって、そこまで追い込まれて初めて英語学習に臨む態度が変わりました。なんと言っても、そのボリュームが変わりました。毎日夜中に帰宅してから、録画しておいた対談番組を何度も何度もシャドウィングしたり(お陰で、ブレア首相のイラク進攻や大学授業料値上げにかける意気込みは完全に刷り込まれました)、週末に雑誌や本を読んでいてわからない単語はそれこそ全部調べて、そして覚えるまで何度も同じ記事を読んだり(決してスマートな遣り方ではありませんが、単語帳を繰り返して眺めるという作業よりは遥かに効率は良かったです)、とにかく反復練習です。練習はウソをつかない。練習でスムーズに出来ないことは本番でも出来ない。練習したこともないなら問題外。頭で理解するのと体が反射的に反応出来るよう“自動化”するのとでは全く違う。練習で口にしたことの無いフレーズが緊迫したディスカッションの中でいきなりスラッと出てくるわけがない。毎月の運用会議の日の朝は、いつもより早く出勤して公園を歩きながら何パターンか用意した発言内容を何度も声に出して練習したりして、ロンドンに赴任した直後の頃は、今から考えれば顔から火が出るくらい恥ずかしい、でも涙ぐましい努力をしたものです。ちなみに英語圏に住んでいたら自然に英語が話せるようになる、というのも怪しいですね。海外に居た方が練習環境は格段に良いのは勿論その通りですが、だからと言って、受動的な態度で生活しているといつまで経ってもたいして伸びない気がします。実際、不幸にしてそういう状態のまま帰国の日を迎えてしまう日本人(学生も駐在員も)も少なくありません。

『簡単、誰でも跳べるハードル!』とか『3ヶ月で必ず100m10秒台で走れる』とかいう本があっても、きっと手に取らなかったと思います。例え、そこに書いてある驚異的な“メソッド”がウソではなくて、誰かがその遣り方で成功していたとしても、それが自分のような不器用な人間に当てはまるとは思えないからです。私が単細胞なだけかもしれませんが、人間の能力を開発していくプロセスというのは結局、いつも同じような気がします。まずは地道な基礎練習の積み重ねです。そういう意味で、もしも将来外国人とビジネスをしたいと考えている学生さんがこのブログを読んでくださっているようであれば、就職する前に1年くらいの纏まった期間を海外での“合宿”生活に充てることを強くお勧めします。今、何となく必要性を感じるけど、何となくハードルが高いと思ってるとすれば、社会に出てからは、もっと強く必要性を感じながらも、もっと高いハードルに直面することになりますよ。
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by th4844 | 2006-04-10 05:25 | Career


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