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Cutting Edge

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2005年 11月 13日

ある平凡な土曜日

朝6時に息子のおむつを変えた後、もう少し二度寝を楽しもうと思ってもう一度ベッドに戻ったところ、結局9時過ぎまで寝てしまった。起き出して、妻が子供に授乳している間に私はボケーっとネットサーフィンをして、それからシャワーを浴びる。その後ふと思い立って、息子をベビーカーに乗せて妻とともに散歩に出かけることにした。近所のイタリアンカフェのブランチがお目当て。今朝は珍しく良く晴れていて、ひんやりとした空気が心地よく感じられた。やはり11月も中旬になると、道路にはかなり落葉が目立ち、気温もぐんと下がるため、必然的に冬の訪れを強く意識させられる。



うちの子はそれこそ毎日朝から晩まで大声で泣き喚き続けるやんちゃ坊主なので(・・・)、彼を連れて外食するという大胆不敵な試みは今日が初めてのことだったのだが、幸いなことに入店時はおとなしくしていてくれたので、どうにか無事に席につくことが出来た。いつご機嫌が反転してしまうかもわからないという緊張感を覚えながら恐る恐る注文を済ませたが、まだ彼はおとなしくしてくれている。いや、それどころか、どちらかというと機嫌が良さそうだ。生後間もない赤ん坊の顔の筋肉はまだ発展途上なので、彼が自身の意思ではっきりニコニコと笑うことが出来るようになるのはもう少し先のことらしいのだが、今日の彼は何だか一生懸命に笑う練習をしているようにも見えた。そんな仕草がかわいくてたまらない。赤ん坊は目の前の親の表情を真似ようとするという話をどこかで読んだことを思い出し、私は自分の顔をぐっと彼の顔に近づけて、思いっきり口を広げて笑顔の見本を作ってあげたりしてみた(傍から見たらさぞかし不気味な男に映ったに違いない・・・)。いやー、こんなに機嫌の良さそうな彼を見たのは初めてかもしれない。実に平和なひと時だった。彼の穏やかな姿というのは本当に貴重なので、思わず写真を撮りまくってしまった・・・。徐々にではあるが、最近は視覚がしっかりしてきているようなので、親が傍にいるということを自分の目で確認出来るようになったということが、少しは彼の安心感に繋がっているのだろうか。料理が運ばれてきて、さて食べようかというところで、突然に電池が切れて『うぎゃーっ』と泣き出したのはご愛嬌だが、その後も片手で抱いて適当にあやしているだけで無事に食事を済ませることが出来た。今日は妻にとっては本当に久し振りの外食だったのだが、彼女が随分リラックスしている様子だったのが何よりだった。もともとこの店は3年前に引っ越してきた当初から私が贔屓にしていて、take awayのカウンターでよくパンやパルマハムやらパルミジャーノチーズを買い求めたりしている他、中で食べる料理の質や気さくな店員のサービスも満足のいくレベルにある。その上、店内がかなり賑やかでスペースもゆったりしているので、ものすごく子連れの客が多いことに今日改めて気付いた。今後も時々来店出来そうな手ごたえ(?)が得られたのは大きな収穫だった。

その後、ベビー用品店でベビー服を一着買い、夕食の買い物を済ませて帰宅。午後は激しく一喜一憂する子供を抱き上げたり膝に乗せたりしながら、妻が友達から借りてきたDVD(キムタクが訳ありのレーサーに扮するドラマ)をずーっと眺めて過ごす。一話、また一話と見ているうちにいつの間にやらそのドラマの最終回も終わってしまったのだが、夕方になると息子のご機嫌がかなり悪化してきた。仕方がないので、引き続きソファの上で彼をあやしていると、BBCでサッカーのイングランド対アルゼンチンの親善試合の放送が始まった。親善試合とはいえ、滅多にお目にかかれない好カードなので(それどころか、英国におけるサッカーのアルゼンチン戦は絶対に負けられない因縁の対決という特別な位置づけ)、これを観戦することにした。結果の方は、イングランドが試合終了10分前に劇的な逆転を見せて3対2で勝利。素人目にみてもなかなか良い試合だったと思うし、アナウンサーや解説者も『両チームともかなりパフォーマンスが高かった』と興奮してまくし立てていた。あまり知ったようなコメントをしたくは無いのだが、ベッカム、オーウェン、ルーニー、ジェラード、ファーディナンドなどなど、イングランド代表のメンバーはプライベートやら破格の移籍金といったピッチ外の話題が先行しがちなイメージがあるが、やっぱり本業の実力もたいしたものだと思う。今日のゲームでもこの辺の有名どころの選手はやはりひときわ異彩を放っていた。特にベッカム、ルーニー、オーウェンは凄かったと思う。先日北アイルランドにまさかの敗北を喫した時にはお先真っ暗といったムードも漂いかけたが、今日の勝利とそのゲーム内容は来年のワールドカップに向けて国民の期待のボルテージを一気に高めたのではないだろうか。ちなみに、BBCのサッカー放送では、かつて名古屋グランパスにも在籍していたリネカー氏がいつも進行役を務めて大活躍している。

ドラマ、サッカーとテレビに釘付けになっている間に、外はすっかり暗くなっていた。その後はまた泣き喚く子供をあやして、慌しく夕食を済ませ、また子供をあやし、子供を風呂に入れ、また子供をあやしていたら、もう12時を過ぎている・・・。子供が生まれてからというもの、生活のペースが本当に激変した。以前は社交やら勉強やらで週末を充実させることが半ば生きがいだったのだが、今やそんなことを考える間もないままに、あっという間に時間が経過しているし、何をしたわけでもないのに何となく疲れてしまったりもする。そういう意味で漠然とした寂しさや物足りなさが払拭出来ない一方、これまであまり味わったこともないような、ささやかだが確かな幸福感にずーっと包まれている。どちらがいいという訳ではないのだが、両方を手に入れたいと思ってしまうのは、やはり贅沢なのだろうか・・・。

by th4844 | 2005-11-13 09:45 | Me, Family, Friends


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